元朝秘史 蒼き美貴帝と白き雅(再連載第1回)
ウラシル大陸内陸部の自然は厳しい
気候は寒冷で 冬は氷点下60℃くらいまで気温が下がる
雨はほとんど降らず 土地は痩せて作物は育たない
強大な統一国家など生まれるべくもなかった。
農耕民族の帝國は 真里の長城 を築いて遊牧民族の侵入に備えた
そんなある年の2月26日 大平原の中で
後に世界を震撼とさせた1人の英雄が生誕した。
5歳になるころには屈強な大人を打ち負かすほどの強さを見せ
7歳のときには将軍として各地の部族を次々と征服していった。
藤本美貴: いったいこの世界はどこまで続いているのか
佐紀: 世界はとても広うございます。
いくつもの国があり 海のむこうにも国があります。
藤本美貴: 海とはどのようなものか
夏焼雅: 満々と水をたたえ その上を船が行き来しております
藤本美貴: ぜひこの目で見てみたいものじゃな
それから10年 青魏の長安を占領すると
この地に建国し 美貴帝 となった
これが歴史に名高い 2・26事件 であった。
農耕民族のそれをはるかに凌駕していた。
50万の軍勢に膨れ上がった匈奴軍は
北伐で侵攻してきた黄蜀軍と五丈原で激突した。
夏焼雅: 戦況は圧倒的にわが軍が優勢ですが
窮鼠猫を噛むともいいます
ここは無理をせず包囲しましょう
敵はいずれ兵糧がつきるでしょう
佐紀: 敵はどうやら城門を開いているようです
夏焼雅: 何かの策略かもしれんな
佐紀: 策略だとしてもむこうの兵数はせいぜい5千
一気に潰せるはずです
精鋭部隊で突撃だ
城門のむこうには黄蜀の五虎将の1人 圭張飛 が単騎立っていた
匈奴軍兵士: おえーーーっ
こうして黄蜀軍の捨て身の作戦 空城の圭 は成功し匈奴軍は退却した
圧倒的な兵の数の差にもかかわらず しばらくにらみ合いに終始した。
こうなると匈奴軍の兵はもともと農耕民族の青魏の兵であるから兵糧が不足する
加えて正体不明の疫病が蔓延するようになった
夏焼雅: これでは戦えません
美貴帝: やむをえんいったん兵を引いて出直すしかないな
注:この 空城の圭 は 蜀書 によると
2002年秋 という記述があるので
長安占領は 2002年2月26日 となり
このとき17歳となるので本書の記述と一致します。